どこより詳しいゴルフレーザー距離計用語集

CLASS 1(クラス1)

レーザ製品に対しては、使用者への傷害を防止するための安全規格が設けられていて、「IEC 60825-1」はレーザ製品に関する国際規格であり、IEC(International Electrotechnical Commission (国際電気標準))国に共通の安全基準となっている。日本では「JIS C 6802」が規定されていて、IEC 60825-1を日本産業規格が翻訳したものであり、この規格に準拠していれば世界に共通の安全基準を満たしている。JIS C 6802」によるレーザ製品の安全基準では、クラス1は、「直接ビーム内観察を長時間行っても、またそのとき、観察用光学器具(ルーペ又は双眼鏡)を用いても安全であるレーザ製品」。アメリカFDAでは、クラス1は、「危険なものとみなさない。」と定義されている。ゴルフレーザー距離計で使用されるレーザーは、このクラス1に該当するもので安全性の高いレーザーである。

CR2

CR2リチウム電池は、その小さなサイズにもかかわらず強力なエネルギー供給を提供し、カメラ、フラッシュライト、ヘッドライト、ゴルフなどで使用する距離計、おもちゃなどの電子機器に使用される電池。ゴルフレーザー距離計の多くはこのCR2電池を使用する。ゴルフレーザー距離計は使用電力が少ないため、通常使用では半年から数年間、交換不要。電器店、ホームセンター、カメラ店などで購入可能。

IPXX

IPコードとは、規定されている保護等級やそれに付随する付加的事項をコード化したもの。EC(国際電気標準会議)およびJIS(日本工業規格)では電気機器内の異物の侵入に対する保護の等級を定めている。左のX(第1記号)は、人体および固形物に対する保護等級、右のX(第2記号)は、水の侵入に対する保護等級である。防塵、防水性能を示すもの。第1記号は0から6、第2記号は0から8等級まである。例えば、第1記号が5等級、第2記号が6等級だと、IP56と表示される。ゴルフレーザー距離計の防水性能は、生活防水レベルのIPX4からIPX6程度のものが多い。完全防水はIPX8。

LCD

Liquid Crystal Display。液晶ディスプレイのこと。電流による明暗差を利用して文字や画像を表示する。デジタルカメラやノートパソコンなどに使用されている。ゴルフレーザー距離計のファインダー内の表示として一般的に使用されている。以前は、モノクロ液晶が多かったが、最近は、カラー液晶を搭載するものも増えている。しかしカラー液晶は明るさが不十分だと、明るい日中のゴルフ場で使用すると表示が薄く、読み取りにくくなることがあるので注意が必要。

OLED

スマホやPCなど、さまざまな電子機器の映像を映すディスプレイの中でも、近年映像表現を強化するためなどで搭載される「有機EL」とも呼ばれることがある。通常の液晶ディスプレイに対して、OLEDは高画質、広視野角で、高い画質の映像を滑らかに表示できる。さらに消費電力が少なく、バックライトが不要のため薄型に製造できる利点がある。ゴルフレーザー距離計のファインダー内の表示として使用するものが増えている。明るく、くっきりとカラー表示するので、明るい日中のゴルフ場でも読み取りやすい。

R&A(全英ゴルフ協会)

Royal and Ancient Golf Club of Saint Andrews。全英ゴルフ協会と訳される。アメリカのUSGAと並び権威のある組織で、アメリカを除く世界のゴルフを統一している。全英オープンなどのメジャートーナメントの主催と、ゴルフ規則の制定・管理等を行なっている。ゴルフレーザー距離計の使用に関しては、2019年にそれまで原則使用禁止だった競技規則を原則使用可に変更し、世界的にゴルフレーザー距離計が普及するきっかけとなった。直線距離の計測のみを認めているが、高低差や温度等を計測するものは違反としている。

USB充電式

USB充電とは、USB充電器やモバイルバッテリー、パソコンなど他のUSB給電機器から、本体に内蔵するリチウムイオンバッテリーなどに電気をためることを指す。USBには規格があり、ゴルフレーザー距離計ではUSB3.x規格やUSB Type-Cが利用されることが多い。

アイポイント

全視界がきれいに見える眼の位置を、アイポイントという。 アイポイントを外れると、視野の一部が欠けたり、全く見えなくなったりする。スペックとして表示されることのあるアイレリーフは、目から接眼レンズまでの適切な距離だが、このアイレリーフが長いものをハイアイポイントといい、メガネを使用した状態で視野が広く見えるようになっている。一方、メガネをしない場合は、レンズから目を離さないと見にくいために、実質的に対象物が小さく見えるというデメリットがある。ニコンのゴルフレーザー距離計はハイアイポイントを特徴とする。

アルゴリズム

アルゴリズムとは、ある特定の問題を解く手順を、単純な計算や操作の組み合わせとして明確に定義したもの。数学の解法や計算手順なども含まれるが、電気機器に特定の形を与えて実行させることができるよう定式化された、処理手順の集合のことを指すことが多い。ゴルフレーザー距離計においては、どのような状況でピンフラッグをロックした(とらえた)と判断するか、高低差を含めた打つべき距離(推奨距離)の計算ロジックなどについて、各メーカーによりアルゴリズムが異なる。

打つべき距離(推奨距離)

高低差に対応したゴルフレーザー距離計の多くは、高低差を加味した打つべき距離(推奨距離)を表示する機能を有している。ゴルフレーザー距離計は、直線距離の他に、角度センサーで求める高低差や水平距離を計算し、各メーカーごとのアルゴリズムにもとづき打つべき距離を算定、表示する。ゴルフ場のキャディが古くから用いることでも知られる、最も一般的な計算式が、「水平距離±高低差=打つべき距離」だが、プロゴルファーの標準値をベースにしたものなどを採用するメーカーもある。ただし、高低差と飛距離の影響は、使用クラブやヘッドスピードなどに大きく影響されるので一般的な計算式や標準値が単純に当てはまらないことが多い。例えば、水平距離150ヤードのショートホールで20ヤードの高低差があったとして、ウエッジで打つプロゴルファーと、ウッドで打つシニアやレディースゴルファーでは、高低差の影響は全く異なる。

角度

ゴルフレーザー距離は、レーザー測定により直線距離を計測するが、高低差機能付きの製品は角度センサーを内蔵し、角度を同時に測定する。直線距離(斜辺)と角度を測定することで、三角関数にもとづき水平距離(底辺)と高低差(高さ)を計算することができる。製品によって、その角度を直接表示するレーザー距離計と、角度と直線距離から計算で求めた高低差を表示するレーザー距離計、さらに高低差を加味した打つべき距離を表示するレーザー距離計、また、これらの複数のデータを同時あるいはモード切り替えにより表示するレーザー距離計がある。角度を聞いても、どのくらい多く(あるいは少なく)打てば良いかは判断に迷うので、高低差の実数値、または、計算された高低差を加味した打つべき距離を表示するものが望ましい。

カラー液晶

ゴルフレーザー距離計のファインダー内の表示は、当初はモノクロの液晶(LCD)が一般的であった。黒色のモノクロ液晶は、カメラやビデオカメラなどにも一般に採用されていて、ゴルフ場の明るい景色に対して、黒色の液晶が読み取りやすい。しかし、ブッシュネルが赤色のカラー液晶を発売してから、カラー液晶を採用するものが増えたが、LCDの明るさが不十分で明るい日中は読み取りにくいという評判であった。2022年以降は、LCDより明るく、表現力の高いカラーOLED(有機EL)を採用する製品が増えている。

近距離優先計測

計測ボタンを長押しして、複数の対象物を計測したときに、最も近い対象物までの距離を表示する機能。ピンシーキング、ピンサーチなど各社で呼び名が異なるが基本的な仕組みは同じ。ゴルフ用にピンフラッグは、細い対象物のため、直接レーザーを正確に照射することが難しく、背景の木々やラフなどを計測してしまうことがあるが、この機能を使えば比較的簡単にピンフラッグを計測できる。ファインダーの中心付近に見える対象物のうち、通常はピンフラッグが最も手前にあることを利用している。このため、木の葉などがピンフラッグとレーザー距離計の間にある場合は、木の葉などを計測してしまうので直接ピンフラッグを見渡せる位置から使用する必要がある。

計測スピード

計測開始から完了までの時間。計測スピードは、主に2つの意味を持つ。1つ目は、一定の計測対象(ピンフラッグなど)を測り始めてからから、対象物までの距離を計測できるまでの時間で、実際の使用感に近い。通常数秒程度の時間がかかり、レーザー距離計の性能、ピン計測機能、距離、対象物の形状やピンフラッグの状態(風の有無)、太陽光などの要因により、計測スピードの長短に影響する。2つ目は、計測ボタンを押した瞬間から計測結果が表示されるまでの最短時間。計測しやすい対象物に向けて計測ボタンを押して、結果表示までの機械的な時間。0.1秒、0.3秒などを標榜することが多いが、遅いものだと1秒程度かかるものもある。実用として、0.5秒以内に表示されれば使用上は違和感はほとんどない。

計測ボタン

計測する際に使用するボタン。電源ボタンと共用の場合が多い。計測ボタンを短く押すことを短押しといい、レーザー距離計のファインダーの中心にある対象物1点を計測する。計測ボタンを押し続けて計測することを長押しといい、複数の対象物を連続的に計測する。複数の対象物を計測したときに、そのときに計測している対象物までの距離を表示する状態をスキャンモードといい、最も近い対象物までの距離を表示し続ける状態をピンシーキング(ピンサーチ等各社で呼び名が違う)モードという。計測ボタンとモードボタンが近い位置に配置されていたり、同じ形状のボタンだと、ボタンの押し間違えをしやすいので、距離計選びの際には注意したい。

高低差

レーザー距離計と対象物の高さの差。対象物の方が高い場合はプラス、低い場合はマイナス表示される。レーザー距離計には角度センサーが内蔵され、角度が0度のとき、水平位置なので高低差は0となる。角度がプラスマイナスにある場合に、三角関数にもとづき、距離センサーで計測した直線距離(斜辺)と角度から計算して、高低差(高さ)を計算する。直線距離だけで判断しショットを打つと、高低差がプラスの場合はショートし、高低差がマイナスの場合はオーバーしてしまう。高低差を加味して打つべき距離を判断することが求められる。ゴルフのゼネラルルールでは、直線距離の計測は認められているが、高低差の計測はルール違反である。

ゴルフモード

レーザー距離計が使用される場面としてメジャーなのは、ゴルフ用と狩猟用である(建築用レーザー距離計を除く)。レーザー距離計の一部はゴルフ用と狩猟用を兼用するものがあり、ゴルフ用に使用するときに選択するモードがゴルフモード。ゴルフ用はピンフラッグまでの距離を計測することをメインにしているのに対して、狩猟用は鹿などの獲物までの距離を計測する。ゴルフモードは林やラフなどの前面にあるピンフラッグを計測するために、最も近い距離の対象物をピンフラッグとして計測する。狩猟(ハンティング)モードでは木や葉、草などの奥にいる大きな対象物である獲物を計測するために、最も遠くの対象物を獲物として計測する。また、計測ボタンを押している間、遠近にかかわらず対象物までの距離を連続的に計測するモードをスキャンモードと呼ぶ場合がある。

最大計測距離

ゴルフレーザー距離計の性能において最も重要なのが最大計測距離である。そのレーザー距離計が大きくて明るく反射率の良い対象物を最大何メートル(ヤード)まで計測できるかを表すスペックである。最大計測距離は、そのレーザー距離計が内蔵するレーザー照射装置、受光センサー、光学システムなどのパーツの性能に大きく影響を受け、より高性能、高価格の計測システムであるほど、最大計測距離が長い。4〜6百ヤードの低性能のものから、2000ヤードを計測する超高性能のものまである。各メーカーの製品ラインナップは最大計測距離が長いものほど上位モデルとされることが多い。最大計測距離が長いほど早く、正確に計測できる。また大手メーカー品はほとんどが最大計測距離が1000ヤード以上だが、ノンブランド品は1000ヤード未満のものがほとんどである。2024年12月現在、世界一高性能なのは、レーザーアキュラシーPINPOINT SLOPE-2の2000ヤードである。最大計測距離は大きな反射率の高い対象物を測れる距離だが、細く反射率の低いピンフラッグの計測可能距離は一般に最大計測距離の1/4〜1/3程度まである。

視度調整

ゴルフレーザー距離計のファインダーについている機能で、使用者の視力に合わせてファインダーを見やすくするものである。ファインダーの周りにリングがあり、それを左右に回すことで、近視や遠視でもファインダーをくっきりと表示させることができる。レーザー距離を使用する前に、電源を入れてファインダーの文字や記号がはっきり見える位置に合わせる。一部のノンブランド品の取扱説明書には「ピント」と記述されていることがあるがレーザー距離計にはピント調節機能はなく、視度調整の間違いである。ピントではないので、使用前に一度合わせるだけでよく、対象物ごとに合わせるものではない。

充電式バッテリー

充電可能なバッテリーを内蔵するレーザー距離計はUSBケーブル、充電器に接続し、繰り返し充電することができる。充電用のバッテリーはリチウムイオン電池が使用されることが多いが、日本では電気用品安全法によりイオン電池内蔵の製品はPSEマークの取得が義務付けられているのでノンブランド品などは違法品の可能性もあるので注意したい。(一定以上の体積エネルギー密度の場合、電気用品安全法の対象となる)

受光レンズ

ファインダーレンズの反対面にある反射レーザー光を受け取るレンズである。反対面(対象物側)の上部が対物レンズで、その下部に受光レンズがある。3つ目タイプのものは上から1つ目が対物レンズ、2つ目がレーザー照射レンズ、3つ目が受光レンズである。3つ目タイプは低価格モデルで採用される。

推奨距離

高低差を考慮した打つべき距離。水平距離に高低差を加減算した数値。高低差がある場合、直線距離のみで判断してショットすると打ち下ろしの場合はオーバーし、打ち上げの場合はショートしてしまう。多くのレーザー距離計は、「水平距離±高低差=推奨距離」としているがブッシュネルなど一部製品は独自の計算ロジックを使用している。高低差が飛距離に与える影響は画一的ではなく、使用クラブや弾道の角度などによって差異が出るので、推奨距離はあくまでも目安とすべきである。風速がショットに影響を与える同様に、直線距離と高低差の実測値をもとに経験的に判断することが望ましい。ただし、高低差のあるゴルフ場が少ないアメリカのブッシュネルなどは高低差の実数値を表示しないので注意が必要である。

水平距離

水平距離とは距離計と対象物が水平位置にある場合の距離。平面地図上の距離とも言える。レーザー距離が計測するのは直線距離であるが、高低差対応のレーザー距離計の場合は、直線距離(斜辺)と角度をもとに三角関数により、水平距離(底辺)を計算により求め表示する。

スキャンモード

計測ボタンを押している間、遠近にかかわらず対象物までの距離を連続的に計測するモード。計測ボタンを押し続けレーザー距離計を向けた対象物までの距離が表示されるので、バンカーの入り口から出口までなど複数の対象物までの距離を確認したい場合などに使用する。ただし、ゴルフプレーにおいてはピンフラッグ計測が最も頻度の高いので、一般には最も近い対象物までの距離を表示するゴルフモードを使用するプレーヤーが多い。

対物レンズ

ファインダーレンズの反対面にあるレンズである。対象物を拡大してみるためのレンズであり、レーザー距離計を照射するレンズでもある。

短押し(単押し計測)

計測ボタンを短く押して計測する方法。大きな対象物を計測する場合は短押しで計測できるが、ピンフラッグのような細い対象物は短押しで捉えることが難しいため、通常はゴルフモードで長押し計測する。ゴルフモードでは、ボタンを長押ししピンフラッグと背景を計測することでピンフラッグを計測するが、計測性能の向上により、短押しでピンフラッグ計測ができる製品が登場している。

直線距離

レーザー距離計と対象物までの直線的な距離。レーザー光を対象物に照射し、その反射光が戻る時間から正確な距離を測定する仕組み。対して、レーザー距離計と対象物までの水平位置までの距離を水平距離という。高低差がある場合、直線距離は水平距離より長くなる。直線距離は、三角関数で言うところの斜辺にあたり、底辺が水平距離、高さが高低差となる。レーザー距離計は直線距離を計測する距離計測システムと角度センサーで計測する角度をもとに、高低差、水平距離を計算により求める。

電源ボタン

レーザー距離計は電源ボタンを押すことでファインダー内に中心点、文字や記号が表示され計測可能になる。ほとんどのレーザー距離計は電源ボタンと計測ボタンが共通で、電源が入っている状態で電源ボタンを押すことで計測ができる。電源ボタンを押した後は、10ー30秒程度の時間が経過すると自動的に電源がオフになり、バッテリーの消耗を防ぐ。

電池ボックス

レーザー距離計はCR2などの小型の電池を電源として、その電池を格納する場所が電池ボックスである。CR2は充電不可のリチウム電池だが、レーザー距離の消費電力は極めて少ないので、月数度のゴルフラウンドで使用する場合は半年から2年程度は電池交換が不要である。最近は充電可能なリチウムイオンバッテリーを搭載する製品が増えているが、内蔵バッテリーの交換ができないので「バッテリーの寿命=レーザー距離計の寿命」となることに注意したい。

透過率

ファインダーレンズの光を通す割合。透過率が高いほど、明瞭に対象物が見える。一般的に高価格品の透過率は高く、低価格品やノンブランド品は透過率が低い傾向にある。透過率が低いレーザー距離計はファインダー内が黄ばむなど色ずみ暗く見えるのに対し、透過率の高いレーザー距離計は明るく自然な色味に見える。レーザー距離の場合は、レンズのコーティング、品質に加え、LCDやOLEDの品質が透過率に影響する。

長押し(連続計測)

ピンフラッグを計測するときに計測ボタンを押し続けながら計測する方法。ゴルフレーザー距離計は、ピンフラッグを計測するために、長押し計測すると最も近い距離の対象物まで距離を表示する。例えば100ヤード先にピンフラッグがあり、背景の林が150ヤードのとき、長押ししたすると先に大きな対象物の林を計測し150ヤードを表示するが、細い対象物のピンフラッグを計測すると100ヤードを表示する。そのまま計測ボタンを押し続け再度背景の林を計測してもファインダー内の計測数値は100ヤードのままなのでピンフラッグまでの距離が100ヤードであると判断することができる。ピンフラッグが背景に対して必ず前にあることを利用した計測法である。

倍率

倍率とは、ファンダー越し見る景色が、肉眼の何倍で見えるかを表した数字。2倍というのは長さが2倍に見えることである。また、言い換えると2倍というと、1/2の距離に近づいたのと同じに見えるということでもある。ゴルフレーザー距離計は6倍のものが多いが、高性能製品には8倍レンズのものもある。カメラにはズーム機能があり倍率を変更できることがあるが、レーザー距離計は倍率を変更できないことが一般的である。

ピンサーチ

ピンシークと同義。

ピンシーク(ピンシーキング)

ゴルフモードやピンサーチ、ピンファインダーなど各メーカーごとに名称が違うが、ピンフラッグを計測するために、近距離を優先的に表示する機能。ゴルフレーザー距離計は、ピンフラッグを計測するために、長押し計測すると最も近い距離の対象物まで距離を表示する。例えば100ヤード先にピンフラッグがあり、背景の林が150ヤードのとき、長押ししたすると先に大きな対象物の林を計測し150ヤードを表示するが、細い対象物のピンフラッグを計測すると100ヤードを表示する。そのまま計測ボタンを押し続け再度背景の林を計測してもファインダー内の計測数値は100ヤードのままなのでピンフラッグまでの距離が100ヤードであると判断することができる。ピンフラッグが背景に対して必ず前にあることを利用した計測法である。

ピンフラッグ計測可能距離

ピンフラッグを計測できる最大距離。ゴルフレーザー距離のスペックとして、最大計測距離が明示されていることがあるが、これは大きくかつある程度反射率の良い対象物を計測できる距離であり、細く反射率の低いピンフラッグを計測できる距離は最大計測距離の1/4から1/3程度と言われる。この数値もフラッグがある程度広がった(はためいた)状態での計測可能距離を意味することが多いため、無風時はさらに計測可能距離が短くなる。有名メーカーの製品が最大計測距離1000ヤード以上であるのは、オーバースペックではなく、無風の時でも200ヤード以上が計測できるようにするためである。250ヤードを安定的に計測するためには最大計測距離1300ヤード以上が望ましい。

ファインダー

距離計測の際に、対象物にレーザーを向けるために、覗くのがファインダーで、対物レンズの反対側にある。通常、視力に合わせてファインダー内の記号や数値が読み取れるように調整できる視度調整のリングが付いている。ファインダー内は、LCD(液晶)かOLED(有機EL)で記号や数値が表示される。最近は、カラー表示のものが増えており、OLEDは明るく読み取りやすい。

防水性能

防水性能はJISなど標準規格によりその性能が定められている。雨天に使用することもあるレーザー距離計には防水性能があるものが望ましい。IPX⚫︎と表記され、⚫︎の数値が大きいほど防水性能が高い。ちなみにXの部分は防塵性能を表し防塵性能がある場合はその性能により数値で示される。IPX4程度を生活防水、IPX5以上を完全防水ということがある。IPX7、IPX8は一定の浸水にも耐えられる。

メーカー保証

メーカー保証(メーカーほしょう)とは、製造物責任法とは違い、企業が独自に品質を保証する規定のこと。適切な使用しているのに、使用できなくなってしまった場合に修理や交換に無償対応するとされるのが一般的。1年保証が一般的だが、最近は2年保証や有償による保証期間延長などを提供するメーカーも増えている。適切に使用でない場合には無償対応を受けられないことがあるので注意が必要。また、最近は人件費や輸送費の高騰などを理由に、小型電気製品は一部の高額品を除いて修理対応は行わず交換対応のみとするメーカーが増えている。

マグネット内蔵

レーザー距離計のボディに強力なマグネットを内蔵している製品がある。アメリカのブッシュネルが始めた機能だが、主にゴルフカートの鉄部に接着させるために使用する。アメリカでは一人に1台カートを使用し、コース内乗り入れ可のことが多いことからゴルフカートにレーザー距離をマグネットで接着させて持ち歩くというニーズがある。日本ではマグネットをゴルフパンツのベルトに付けた鉄製のクリップに取り付ける使用法も見られる。ブッシュネルのマグネットは強力であるが、他社製品には磁力が不十分で落下のトラブルが頻発するものがあるので注意が必要。

モードボタン

各種の計測モードや計測単位(メートル↔︎ヤード)の切り替えなどを行うボタン。電源ボタンに近くか、ボディのサイドにある。計測モードには、ゴルフモード以外のスキャンモードやスピード計測モードへの切り替え、ルール適合モードと不適合モードの切り替えなどがある。

モノクロ液晶

単色(黒色)の液晶表示。ファインダー内の計測数値や記号等を表示する。最近は低価格製品はモノクロ液晶、カラー液晶やOLED(有機EL)は上位モデルに採用されることが多い。モノクロ液晶は、明るいゴルフ場での使用には適しているが、発光しないため暗い天候や時間帯では読み取りにくい。

リチウム電池

リチウム電池は、負極に金属リチウムを使った化学電池。充電が可能なリチウムイオン電池と混同されやすいが、リチウム電池は充電できずに使い捨て。レーザー距離計には、「CR2」と呼ばれる規格の電池が使われることが多い。レーザー距離計で使用する場合は使用頻度や製品にもよるが一般に半年から2年程度電池交換は不要である。

ルール適合

ゴルフのゼネラルルールでは、2019年のルール改正以降、直線距離を計測する距離計の使用を認めている。ただし、高低差や角度、温度、湿度などの計測はルール違反となる。直線距離のみを計測できるモード(他の計測をオフにできる)を有する距離計はルール適合となる。

レーザークラス

ゴルフレーザー距離計はレーザー光を使用して計測を行うが、使用するレーザー光は、人体にほとんど影響のないクラス1が使用される。レーザー分類の「クラス1」のJISの定義は「本質的に安全なレベル。特別な安全対策を行わなくてもよい。」 ゴルフレーザー距離計で用いるレーザーは不可視(目にみえない)。

ロックオン(ロックドオン)

ピンフラッグ計測用のゴルフモード(ピンシーキングモード、ピンサーチモード等)を使用してピンフラッグを捉えた状態。ゴルフモード等では計測ボタンを長押しして、ピンフラッグとその背景(林やラフなど)を連続計測するが、背景よりも近い距離にある対象物を計測したときに、ピンフラッグを計測したと判断してロックオンのサイン表示やバイブレーションによって計測者に知らせる。街中などでは重なり合う2軒の建物を見つけて、計測ボタンを押したまま先に奥の建物を計測しその後に手前の建物を計測するとロックオンサインが表示され、ロックオンの仕組みを簡単に理解できる。

有機EL

ファインダー内の表示に使用される。OLEDの項目を参照。

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